MOLD

【金型とは?】

身の回りにあるプラスチック製品
実はそのほとんどが「金型」によって作られて
います

ここでは、
当社で作っている「プラスチック成形用金型」について簡単にご説明します

【金型の仕組み】

金型はモールドベースと呼ばれる
鉄のプレートで構成されています
その総重量は、最終製品の大きさにもよるので様々ですが、
当社でつくる金型は、重いもので
2トンほどあります
プレートは複数枚で重ねて組まれて
おり、それぞれが重要な役割を果たしています

(画像出典:双葉電子工業)

金型は通常何もしていない状態では
①のようにプレート同士が密着しています

成形(樹脂を流して製品形状を作る)際には、金型を「射出成形機」に取付けて行います
次に、②のようにプレートとプレートの隙間を縫うように、樹脂を高温高圧で投入します
この”隙間”が製品形状を決定する大変重要な部分となり、
特に加工精度が要求されるポイントです

【樹脂を高温高圧にする理由として】
1.  高温でないと樹脂が液状にならないこと
2.  高圧でないと金型の隅々まで樹脂が行き渡らない為です

樹脂が充填された後に金型を「冷却
することによって樹脂は製品の形状を保ったまま固まります
金型内には水が循環する構造となっている為、
高温だった樹脂はその冷却水によって
「冷えて固まる」、という仕組みです
冷えて固まった樹脂は射出成形機の機構によって、型が③のように開きます
開いてできたすき間から、製品を取り出す
という、金型と製品化に至るまでの
一連の流れとなり
この工程は、なんと数秒の間で行われています

つまり
金型があることによって、同じ形状、それも極めて精密な形状のものを
短時間で量産できるのです
大変地味な業界でありますが、金型は確実に日本のものづくりを支えています

【金型の良し悪しについて】

金型が高精度でなければならない理由の一つに
バリ」の発生があります
先ほどの、②「樹脂の注入」の際にプレート同士がうまく密着していなかったり、
組み込まれた部品同士にわずかでもすき間があると、そのすき間に樹脂が流れ込みバリが発生してしまいます
バリは鋭い為、私たちが製品として使用する際にケガをしてしまったり
(例えば、こどもが遊ぶ道具でバリがない方がいいのはイメージしやすいと思います)
また形状もすっきりしておらず見栄えもよくありません
このような問題をなくす為に、金型は密着性が良く
高精度である必要があるのです

※密着性が良すぎるのも問題になることもあります(ガス溜まりによる燃焼など)
最終的には人の手によってその点バランス良く調整する必要があり、その中に熟練の技術が詰まっています